リスボンに憧れながら世界の片隅で砂を掴む

本、ポルトガル語学習、海外移住よもやま話。(※在住国はポルトガルではありません。)

使用済みトイレの不法投棄

初回投稿で「本の話がしたい!」と熱弁しておきながら、二回目は「トイレの不法投棄」の話である。

最近発生した衝撃的な出来事であったので、まだ怒りがホットなうちに記述しておきたい。

 

「トイレの不法投棄」と言っても、便所ゲーとして有名な『任●堂スイッチ・某どうぶつの森』が「面白くないから不法投棄した」という話ではない。

現実世界の、私の居住している場所での話である。

 

この地域ではマンションの各フロアに『ゴミステーション(家庭ゴミを集める場所)』となる小部屋が存在する。日本とは異なり、ゴミは365日24時間受付中、いつ捨てに行っても良いシステムになっている。

先日、その日一日のゴミを捨てにその小部屋に行った時のこと。

ドアを開けてすぐ、白色のツルツルした家具らしきものが、視界に飛び込んできた。

こちら側に背を向けて鎮座し、天井から降り注ぐ安っぽい光を艶々と反射しているそれは、椅子か、子供用のオマルのようなものに見えた。

「椅子だろうか?こんな所に放棄するとは、けしからん。」

と、住民のモラルの欠如に立腹しながらも、大型ゴミ箱に自分のゴミを投げ入れた後。

ふと、その物体の前面を見て、全身が恐怖に震えた。

 

「トイレ!!!これ、トイレじゃん!!!」

 

悲鳴を上げそうになったのを堪え、自分のフラットへ駆け戻り、配偶者に「トイレが!トイレが捨ててあった!」と訴える。

すぐさまSNSによって近所に情報が拡散された。紛糾する町内会。

 

しかし、落ち着いて考えてみると、便器が捨ててあるとは考え難い。

自分の見間違いか、幻だったのではないだろうか。

驚愕のうちにゴミステーションを飛び出してきたので、その様子を写真にも収めていないし、自分の記憶が信用出来ず、不安になってきた。

もし、あれが便器でなかったら、私はどうすれば……。

 

だが、その不安は杞憂に終わった。

数十分後、近隣住民により、新たな燃料が投下された。

それは、あの便器の写真であったが、先ほどとは様子が違っていた。

私が発見した時とは異なり、便器の前面がこちら側を向いていたのだが……。

 

その上に、残飯がばら撒かれていたのだ。

 

使用済み便器の蓋の上に散らばる鳥の骨、床に転がる飲みかけレモンティーのプラスチックカップ……。

 

当然、町内会はさらに炎上した。

翌日には、有志が警告の張り紙を掲示した。

 

こうしてまた、私はこの地に絶望したのである。

 

これが、海外生活の、現実である。